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墓じまいの費用と手続きの流れ、トラブル事例など

墓じまい

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墓じまいの流れと費用

一般的な墓じまいの流れと共に、かかる費用やトラブル事例なども含めて解説してゆきたいと思います。永代供養墓への改葬または散骨をする流れでご説明いたします。

墓じまい費用の目安

墓じまい費用の総額は、お墓の場所、大きさ、遺骨の数や状態、遺骨の行き先など多岐にわたる要素で見積もりされますのでピンキリですが、平均的な3㎡のお墓で、先祖の遺骨が5つ程度あったとした場合、

① 菩提寺へ永代供養に出すと120万円
② 公営墓地に永代供養なら80万円
③ 散骨だと50万円

くらいが平均値だと思います。

そのうち墓石の解体撤去費用は30万~50万程度ですが、遺骨の処分方法によって大きく値段が左右することが判ると思います。

墓じまいの作業ながれ

  1. 見積もりをしておく
    お墓の中には遺骨がありますので、誰の遺骨があるのか、数量、大きさ、経過年数、破損・汚損などの状態、火葬済みか?などを確認しておきます。

    自分でお墓を開けて懐中電灯などで照らして確認しても良いですが、骨壺の記名などを確認するために出さなければならないので、墓石業者さんに頼んで開けてもらった方が良いと思います。お寺や霊園によっては指定石材店が決まってますので管理事務所に確認しましょう。

    作業料金は1万円程度だと思います(撤去費用の見積もりを依頼すると無料になったりします)。

    ここでしっかり把握しておかないと、後の各種見積もり時に「ザックリ価格」で高く見積もられてしまいますので、可能な限り把握しておきます。戦時中の骨壺には石や写真だけが入ってるケースや、戦前だと未火葬の遺骨(再火葬が必要)もあったりします。

    電話セールス

    古い遺骨は骨壺に名前が書いてない場合もありますので、お寺の納骨記録などを見せてもらって誰の骨壺か判ったら油性マジックなどで書いておきます。(骨壺の側面ではなくて蓋の裏に記名があることも多い)

    東北地方などに多い合葬式の場合は誰の分か判別するのは不可能だと思いますので、お寺の記録簿などから調べます。

    重要な3つの見積もり
    ① 永代供養先(又は散骨先)の料金
    ② 閉眼供養料、離檀料金
    ③ 墓石解体・撤去料金

    また、檀家さんの場合は閉眼供養料や離檀料がかかる場合がありますので事前に確認しておく必要があります。
  2. 墓地管理者へ申し出する
    費用の算段と受け入れ先のめぼしがついたらお寺または霊園の管理事務所に墓じまいする旨を通達します。
    通達方法は電話でもできるところがありますが、多くは所定の用紙がありますので、郵送などで取り寄せて記入して提出します。

    【永代供養の場合】・・・お墓からお墓への移転扱いになりますので改葬許可書が必要になります。改葬許可申請書の申請手順は以下のとおりです。

    ① 受け入れ先の墓地管理者から受入証明書などを貰ってくる(多くは有料)。
    ② 現在の墓地がある市役所などで改葬許可申請書を貰ってくる(無料)。郵送可
    ③ 改葬許可申請書に現在の墓地管理者から改葬元の証明を受けてくる(有料の場合あり)。
    ④ 改葬許可申請書と受入証明書を持って市役所などに提出し許可を貰う(無料)。
    ⑤ 現在の墓地管理者に提出する(無料)。

    市役所

    【散骨の場合】・・・お墓の移転ではないので原則、改葬許可申請書は不要ですが、法律的に不透明なので、改葬元から「改葬許可書が無いと出せません」と言われる事が多いです。

    ① 現在の墓地管理者に「散骨したいのだけど改葬許可書は必要か?」と尋ねる。
    ② 必要なら市役所などで改葬許可申請書を貰ってくる(無料)。
    ③ 散骨を委託する場合は委託先から受入証明書などを貰う(一部有料)。
    ④ 移転先は無いので、改葬許可申請書の移転先は空欄にし、理由欄には「散骨する為」や「自宅で供養する為」等を記入し提出する。都心部だと散骨でも許可が下りるケースが多いが、地方だと却下される場合が多い。
    ⑤ 改葬許可証を改葬元の墓地管理者に提出する。

    散骨
  3. 閉眼供養
    墓石には故人の魂が宿るとされていますので、僧侶によるお経を唱えて頂いて閉眼(魂抜き)してもらい、墓石を単なる物体にしてもらいます(お布施は1万円~5万円)。

    寺院墓地の場合はそのお寺の僧侶に、民営霊園ならその霊園の管理事務所に相談して紹介してもらい、公営霊園の場合はどこの僧侶に依頼しても原則は自由です。

    お坊さん

    閉眼時に遺骨を取り出すことが多いのですが、石材店と僧侶の日程が合わない場合などは閉眼供養しておいて、後日石材店に墓石解体する際に、一緒に遺骨を取り出してもらう事もあります。
  4. 離檀手続き
    公営墓地の場合は不要ですが、寺院墓地で檀家さんの場合は離檀の手続きが必要です。宗派や各寺院によって手続き方法や費用は異なりますので、各自で直接お問い合わせする必要があります。平均値は20万円前後のようですが、地方の小さなお寺だと安く、都心部の格式の高いお寺だと高額になるようです。
  5. 墓石の解体・撤去
    石材店に依頼し、墓地区画を更地の状態に戻す必要があります。寺院墓地や石材店が出資している霊園には指定石材店が決まっている場合がありますので、管理事務所に紹介して貰います。指定石材店以外に依頼すると敷地に入れてもらえない等トラブルの原因になります。

    ショベルカー

    公営霊園には指定石材店などがありませんのでどこにでも依頼はできますが、遠方の業者に頼むと交通費が上乗せされますので、高額でなければ霊園周りに存在している老舗の石材店などに依頼した方が安心かとは思います。

    墓石撤去費用の算出方法
    ① 現地調査費用(無料の場合がほとんど)
    ② 墓石解体・撤去処分費用(5万円~10万円/㎡)
    ③ 駐車場から墓石までの距離
    ④ 運搬の難易度(車両が入れないと高額)
    ⑤ 行政手続き代行費用(3千円程度)
  6. 取り出した遺骨を永代供養(または散骨)する
    遺骨の取扱は想像以上に汚れるので大概の場合は墓石解体時に石材店に頼んで遺骨を取り出してもらいます。

    お墓の中から取り出した遺骨は骨壺の中に水が溜まっていたりすることがほとんどですので、蓋をしっかり閉じて斜めにするなどして可能な限り水分を抜き、布製ガムテープなどで蓋が開かないようしっかり留め、厚手のビニール袋に入れて口をしっかり縛って運搬します。

    また、お墓の下にあった遺骨にはバクテリアや細菌類が大量に付着していますので、細心の注意が必要です。

    関東周辺であれば有料ですが霊園まで引き取りに来てくれる散骨代行業者さんが居ますのでそちらを頼んだ方が楽です。

    【永代供養墓に入れる場合】・・・遺骨を洗ったり乾燥させたり必要はありません(合葬する前の安置室などで数ヶ月掛けて自然乾燥する)ので、そのままの状態で改葬許可証と一緒に合葬先に持参します。郵送不可

    【散骨する場合】・・・遺骨を粉骨する前に乾燥させる必要があります。粉骨の専門業者には専用の乾燥室がありますので、2日~5日ほど預けて充分に乾燥させてから異物を取り除いて粉骨してもらい、水溶性の紙袋などに封入してもらって受け取ります。(もしくは散骨してもらいます)郵送可

    洗骨しちゃダメ!・・・泥だらけの遺骨は水洗いしてあげたい気持ちは理解できますが、焼骨はとてもモロいので、水洗いをすると粉々になって大部分が下水に流れてしまいます。遺骨は泥なども含めて乾燥させて、石などを取り除いて全て粉骨しています。洗骨していいのは土葬や風葬されていた遺骨だけです。

ご遺骨出張お迎えサービス(関東)

墓じまいの時に多いトラブル

最も多いトラブルはお寺や霊園と揉めてしまうことでしょう。離檀がらみの金銭トラブルはよく耳にします。特に2018年頃、格式の高い寺院において「離檀するなら200万持ってきなさい」と言われたなど実際耳にしたことがありましたが、2020年に入って、そういったトラブルはほとんど聞かなくなりました。

とあるお坊さんにそれとなく聞いたところ、「継承者が絶えるから檀家を止めたいというのにそれは駄目だ!というのもおかしな話ですし、むしろ黙って無縁墓を作るくらいなら、しっかり墓じまいをして更地に戻してくれるのはありがたい話ではないですか」との事でした。この2年間で僧侶の方々の考え方も変わってきたのだなと思いました。

お金を節約したいなら散骨、時間を節約したいなら永代供養

墓じまいは時間もお金もかかりますし、何よりも手続きが面倒で労力を費やします。それでも人生のけじめとして祭祀継承者に任命された方々が必死な思いでやり遂げています。これを最後まで読んでくださった方々が無事に墓じまいを終えられますよう、心より祈っております。

お茶を飲む老夫婦

墓じまい後の遺骨はどうしてる?

2019年夏~秋に弊社が独自で調査した「墓じまいした後の遺骨はどうしているのか?」の結果では以下のような結果が出ています。

1位 お墓があった霊園で合葬(37%)
2位 海洋散骨(34%)
3位 公営霊園の合葬墓(21%)
4位 送骨による合葬(7%)
5位 納骨堂へ改葬(1%)

散骨は安くて抽選なしで人気

地方の場合は寺院墓地が多いため合葬墓併設で空きも多い為、手続きの容易さから菩提寺へ永代供養することが多いようですが、都心部では菩提寺の合葬が高額で(平均20万円/体)、かつ公営霊園の合葬墓(平均10万円/体)が抽選待ちのため、海洋散骨(平均5万円/体)を選択する方が増えているようです。宗派問わず送骨型の永代供養は実際のところ利用者が少ないことが判ります。

→永代供養と散骨どっちがいいか迷ったら

墓じまいが増えた理由

ここ数年「墓じまい」をする方が急増しています。お墓を維持する経済的負担が大きいというよりも、少子化により墓守をする継承者が途絶えてしまう、都市への移住によって墓守が難しい事が主な理由のようです。

墓石業者や自治体のポイント調査の結果では、すでに約40%のお墓が無縁化しているそうで、2025年頃には約60%以上のお墓は継承者不明で 無縁墓(むえんばか) になるという予測も算出されています。

お墓はきちんと墓じまいをしないと、無縁墓として墓地管理者によって撤去処分され、お墓の中にあった遺骨は最終的に 合葬墓がっそうぼ(合祀墓(ごうしぼ) )へ弔われます。

お墓を管理する 祭祀承継者 ( さいししょうけいしゃ ) が責任感の強い、高度成長期を支えてきた世代に代わり、先祖の遺骨を放置することはできないという思いから、人生最後の任務として墓じまいを決心する方が多いように感じます。

正式名称について
正しくは祭祀承継者(さいししょうけいしゃ)なのですが、Googleだと祭祀継承者(さいしけいしょうしゃ)でないと検出されないようなので継承者の方で記述しています。

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