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散骨の法律と違法性について

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散骨は違法でもなければ合法でもない状況です

多くの方は「散骨って違法じゃないの?」と疑問に感じていると思われますが、正確に言うと合法でも違法でもないグレーゾーンな状態にあり、2017年5月の時点では、個人が節度をもって行った散骨については、特に法律で罰せられたという事例はありません。

遺棄罪になった男性の話
2015年4月、東京都練馬区のスーパーのトイレに妻の遺骨を捨てたとして、68才の男が死体遺棄容疑で書類送検されましたが、この男性は「他人の私有地に無断で撒いた」ことや「粉骨しないでそのまま撒いた」という行為が節度ない散骨として遺棄罪と器物損壊罪として逮捕されました。

散骨に関する許可または提出書類などはありません

法律上グレーな為、取り扱う機関がないので許可や申請などは必要ありません。よって役所への申請書類なども存在しません。

市役所墓地や納骨堂に預けた遺骨を別のお墓に移動する場合には改葬許可証を役所に発行してもらう必要がありますが、散骨の場合は「移転先なし」と同じ扱いなので役所への提出書類は必要なく、お寺に事情を話して遺骨を返還してもらうだけになります(2016年6月27日に役所に確認済み)。改葬許可証が無いと遺骨は渡せない!というお寺があったらそれは宗教上の問題だけでしょう。法律的には祭祀継承者の自由ですのでお寺を説得して返還してもらいます。

散骨関連の法律

刑法190条の死体損壊等(死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は3年以下の懲役に処する)になります。また、墓地・埋葬に関する法律(埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない)というのもあります。

抵触しそうな法律はありますが、1991年にNPO法人「葬送の自由をすすめる会」が発足し、一回目の自然葬を行った際に、法務省刑事局は「葬送を目的として、個人が節度をもって実施する分には遺棄罪にはならない」という意味の見解を述べたと言われています。また、厚生省は墓地埋葬法に抵触するのか?という質問に対して、散骨は対象としていないので規制の対象にはならないと見解を述べたと言われています。ここであえて「述べたと言われている」と記述したのはいづれも公式見解ではなかったからです。

その6年後、厚生省は1997年2月10日~1998年6月4日の間に全12回に渡り「これからの墓地等の在り方を考える懇談会」を開催し、散骨についても議論されました。この中では前述した葬送の自由をすすめる会からのヒヤリングなども行い、散骨の現状と将来性を踏まえて様々な方面から議論された結果、高温で焼かれる遺骨に関して衛生面での心配はないものの、国民の感情的配慮の面で法的規制をするべきではないのか?という意見も出、これに対し各地域の宗教的な考え方もあるので各自治体の条例などで規制すれば良いのではないか?といった意見もありました。また、今後「散骨」が度を超した商業的な広がりをみせた時には何かしらの規制も必要であるとの厳しい意見も出ました。

熱海は商用散骨をやり過ぎた結果、条例ができた?

その16年後の2014年5月30日、閣議後に行われた記者会見において、当時の田村厚生労働省大臣に対して記者が「熱海で散骨トラブルが発生しているようですが?」と質問したところ、大臣は「法律を確認したうえで自治体からの相談には乗ってゆくつもりだ」とは述べているものの明確な回答は避けましたが、翌年の2015年に熱海自治体により散骨ガイドライン制定されました(詳細は後述)。

なぜ違法でも無く合法でもないグレーのままなのか?

散骨を違法としてしまうと「火葬後の遺骨は全て墓地に埋葬すること!」など国家が国民に宗教的な制限をかけることと同じになります。さらに受け入れる自治体の整備と法律の改正、民間への経済的負担がかかります。これらを考慮した場合、宗教観は各地で異なるので自治体に任せておいた方が良いのではないか?ということなのだと思います。また、墓地が増え続けることも問題ですし、宗教絡みは国家としてコントロールできなくなる恐れもあるのであえて避けているのかもしれません。

そういった理由で現在は比較的自由に散骨できていますが、散骨がビジネスとして広がりをみせ、全国各地の自治体に条例が制定されればこの限りではなくなります。逆に考えると、散骨をするなら早めに済ませておいた方が良いのかも知れません。

「埋める」ことが許されているのは墓地だけ

樹木葬は気をつけてください。日本の法律には「墓地・埋葬に関する法律」というものがあります。こちらは主に墓地、納骨堂又は火葬場の管理者向けの法律ですが、この法律の中に明記されているように、埋葬することは都道府県に許可された正式な墓地でのみ可能です。よって樹木葬のように「埋める」行為があるものは正式には散骨とは呼べないのです。樹木葬を検討している方は、その受け入れ先が市区町村から認可を受けている墓地なのか確認してから応募した方が良いと思います。

・遺骨を骨壺から取り出して庭に埋めた → 違法です(墓埋法)
・遺骨を骨壺から出して庭に撒いた → 違法です(遺棄罪)
・遺骨を骨壺から取り出して粉末にして庭に撒いた → 違法にはなりません
・遺骨を粉末にして山や海に撒いた → 違法にはなりません
その他 → 散骨ができる場所、できない場所

また、各都道府県や海外であれば国の法律、州法などによって散骨に関する条例などが異なりますので、必ず事前に調査の上で実施することをお勧めします。例えばアメリカのハワイ州では海岸線より3マイル(4.82km)以上沖合でないと海洋葬は許可されていません。現地の風習や習慣、言葉などに不安な方は現地の実績の豊富な散骨業者を頼るのも一つの方法です。

散骨許可に関する条例がある市区町村

北海道長沼町

2005年3月16日に条例第10号(改正:2013年3月27日条例第15号)として日本国内で初となる散骨禁止条例(長沼町さわやか環境づくり条例)を公布。町内に樹木葬を目的としたサービスができ、これに対して地元住民達より苦情が上がり、議題に提出され条例ができた。第11条の中に「何人も、墓地以外の場所で焼骨を散布してはならない」という条例が組み込まれ、散布する場所を提供することを業とした者は、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処するとある。

北海道七飯町

七飯町内において事業者による法定外の葬法が提起された場合を想定し、2006年3月14日、要綱第1号(七飯町の葬法に関する要綱)として制定。同2006年4月1日に正式な条例として施行された。地域関係者の法的権限が増し、罰則などは制定されていないが散骨業を行おうとするものは事業計画書の提出などを求められ、町の許可が必要となる。事実上これにより散骨を業として同町で営業することはぼぼ不可能になった。

北海道岩見沢市

2008年12月22日、岩見沢市における散骨の適正化に関する条例施行規則として施行。散骨場を設置するにあたって事業計画書の提出や運営者の資格条件の確認、学校や国道、道道から500m以上離れていることなど厳しい内容。事実上、この地域での散骨場の運営は不可能に近い。

長野県諏訪市

墓地、納骨堂、散骨場、火葬場などの建設や設置において、近隣住民からの同意書がないと建設、設置をしてはならないという条例。墓地、納骨堂、散骨場に関しては設置しようとする場所から200m以内、火葬場に関しては500m以内の全ての住民の同意が無いと設置はできないというような条例「諏訪市墓地等の経営の許可等に関する条例」。2000年4月1日から施行。

埼玉県秩父市

2008年12月18日、「秩父市環境保全条例」の中に盛り込まれた38条にて施行。当初は業者による散骨場設置に対する対策として議論されていたが、規制対象は業者だけではなく「秩父市内で焼骨を散布しようとするすべての人」になったので個人の方も対象に。首都圏で初、全国で4番目の散骨に対する条例。

埼玉県本庄市

2010年年4月1日「本庄市散骨場の設置等の適正化に関する条例」として施行。市内の環境保全を目的に、散骨場を設置しようとする者は市長の許可を得る必要が生じる。許可の基準は厳しく、事実上、事業としての散骨は認められていない。個人の散骨に関しては明記なし。

静岡県御殿場市

2009年03月09日条例第19号「御殿場市散骨場の経営の許可等に関する条例」として施行。散骨を行おうとする業者に対して制定された厳しい条例。犯すと6月以下の懲役又は50万円以下の罰金を伴う。神奈川県の業者が御殿場市内に散骨場を設置しようとした際に対抗策として作られたもの。個人の散骨については明記されていない。

静岡県西伊豆町

条例では定められてませんが、2015年4月に当サイトの広告を町役場のホームページに掲載申請したところ、「違法性があるかもしれないので許可できない」という返答と頂きました。

静岡県熱海市

2015年7月1日、熱海市は「無秩序な散骨が行われることによって、風評被害等による熱海市のブランドイメージを毀損するおそれがある」として海洋散骨業者に対して熱海市海洋散骨事業ガイドラインを制定。強制力はないものの、ガイドラインに沿わない業者は熱海市での散骨を大幅に制限されることは間違いない。初島を含む、熱海市の土地から10km以上離れた海上でのみ散骨をするようにと制限をかけた。また、事業者が「熱海」や「初島」などの文言をサービス上に掲載することを禁じた。

静岡県伊東市

2016年2月1日、観光地としてのイメージを守るために海洋散骨業者などに対し、伊東市の陸地から6海里(11.11km)以内での海洋散骨をしないよう伊東市における海洋散骨に係る指針を発表した。また、熱海市同様、散骨業者による広報において「伊東市」や「伊東市沖」などの文言を使用することも明記した。具体的な罰則制定はないものの、実質的に散骨を禁じた内容となっている。

東京都

東京都福祉保健局のサイト上に散骨に関する留意事項というのが掲載されており、この中には国の見解に準ずるということと、都内における散骨については事前に各自治体に確認をとることと言うことが明記されています。

散骨許可に関する法律や州法がある世界の国々及び州など

アメリカ合衆国

ハワイ州の州法では散骨に対する規制は特にありません。個人所有の土地であっても所有者の許可があれば散骨は可能です。人気の海洋散骨については連邦水質汚染防止法というのが該当し、海岸より3マイル(約4.82km)以上沖合で撒かないといけないというルールがあります。海岸やプールなどへの散骨は許可されていません。また、原則として海洋散骨をした場合は散骨から30日以内にアメリカ合衆国環境保護庁(EPA:Environmental Protection Agency)に報告する必要があります。

カリフォルニア州では遺骨は1/8インチ(0.35mm)以下まで粉砕すること。海または霊園の一定区域に限る。

ネバダ州も霊園の一定区域に限って散骨可。

フランス

火葬率5%以下にも関わらず、公道以外ならどこに散骨しても良いというルールがある。

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